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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■一年前の傷は治りましたか
丁度一年前、
貴女は何をしていましたか。
旦那と言う同居人を斬り捨てる行為と、
小さな彼に対する母性愛と、
貴女を取り巻く環境と、
そして俺への想いと。
丁度一年前、
俺は何をしていただろうか。
アイツと言う彼女を斬り捨てる行為と、
アイツに湧く情と、
俺を取り巻く環境と、
そして貴女への想いと。
丁度一年前。
「戻りますか?」
「元の関係に戻りますか?」
貴女が別れの言葉を口にした事を、
未だ覚えているのだろうか。
お互いが深い傷を負い、
必ず誰かを傷付ける事が宿命であった関係には、
違いなかったけれど。
俺は貴女に怒りの刃を向けた。
事の大きさを感じて、
どんなに酷い不安に陥っても。
一線を越えた以上、
決して逃げてはならないんだ。
自分達で踏み出した以上、
言葉や想いに責任を持たなければならないんだ。
ただの弱気で、
単なる不安で、
想ってもいない言葉を口にする事は、
最大の罪なのだ。
きっと俺は、
貴女と繋がっていたいと言う欲望の為に、
理由を創って主張したんだ。
貴女を勇気付ける為でも無く、
貴女を励ます為でも無く、
己の欲望を満たす為の虚言だった。
願わくば。
この一年と言う期間が、
俺の罪で傷付いた人の癒しとなっていますよう。
この一年と言う月日が、
深い爪痕を修復し得る癒しの時になっていますよう。
そう願った俺は、
この一年と言う時で何も変われていない。
そう願った俺は、
未だに偽善者で勝手極まりない。
03月19日(水)
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