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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■何を言えれば良かったですか
どれだけ上手に言おうと、
どれだけさらりと口にしようと。


愛しい人にあの一言を伝えた時。

言い様の無い重みと、
言い様の無い大きさを持った核が、
奴の心に産まれて居たんだ。




奴は一人前の雄。
そして不器用な雄。

一度口を開けば、
鉛の様に重く、
針の様に鋭い、
そんな言葉しか吐けない奴だから。



 「おまえのおむつも替えてやるから。」













奴の想いの結晶は、
見劣りする物なのだろうか。

奴の想いの結晶には、
まだ足りない光があるのだろうか。







 「ごめんね。」
 「あなたと結婚する気はございませんの。」



自分の想いに返る言葉を、
ぶつけた想いに返る答えを、
友は人伝てに耳にした。



 「俺に何が足りない?」

 「年齢か?俺が年下だからか?」
 「地位か?信用度が無いからか?」
 「旦那か?まだ籍を抜けないからか?」
 「経済力か?彼女の子を養えないからか?」



 「それとも愛情なのか?」



奴の尽きる事無く並ぶ疑問符達。

何故俺に出来る事は、
其処に居続ける事だけなんだ。


意図は何だ?
真の意味は何だ?

お互いに、
あなたの子供が欲しいと言い合っても、
一緒には居ないと言う理由は、
いったい何だ?











もし貴女が俺に、
この言葉を伝えて来た時。

この言葉の意味を、
この言葉の意図を、
俺は正確に捉えられるのだろうか。



 「俺、わかんねぇんだよ。」



一匹の雄が、
また隣でのたうち回る。
01月29日(水)
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