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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■ちゃんと備わるでしょうか
あの時の不安が、
再び鮮明に蘇って来た。


 「あなたの気持ちを利用した・・・」


あの時の台詞が、
再び鮮明に蘇って来た。


只の物語。
只のドラマ。

造り物の劇にあれだけ揺らされる事は、
最初で最後だと想っていた。
金輪際無い物だと想っていた。








俺が年下で、
貴女は年上で。

俺には経済力が無くて、
貴女にも経済力が無くて。

俺は未婚で、
貴女には命より大切な子供が居て。




気持ちではどうにも乗り越えられない現実が、
其処には存在する。

その現実を受け止めて押し返す力が、
今の俺には無い事も理解している。






 「離れていてもあなたは私たちのパパだから・・・」


画面の中から聞こえてくる台詞を、
いつの日か、
俺は得る事が出来るのか。


 「お前は俺のオヤジだろ・・・」


小さな彼の口から出てくる台詞を、
いつの日か、
俺は聞く事が出来るのか。







その時は来るだろうか。

俺にちゃんと、
その時を引き寄せる力は備わるのだろうか。
12月06日(金)
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