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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■瘡蓋を剥がして良いですか
俺が痛みに気づいたのは、
一息付いた時だった。
お互い相手を貪り喰う事に夢中で、
痛みすら何処かに飛んでいた。
「血が出てるよ?」
「痛てぇ・・・」
カーペットとの摩擦で出来た、
火傷のような丸い傷。
皮膚が薄く消え失せて、
体液で表面が覆われている。
「動き過ぎたよね・・・」
「薬塗る?」
痛みを堪えながらも、
笑みがこぼれて仕方がない。
この傷が消えると、
貴女との逢瀬が幻になる様な気がして、
膝に出来た瘡蓋を剥がした。
あの時の様に、
透明の体液で表面が光り始めている。
そうか。
やっと想い出した。
貴女の内股に、
キスの痕を付け忘れたんだ。
10月28日(月)
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