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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■俺の方が大事だと言えますか
いつもと雰囲気の違う声。
ワクワクしてどうしようもない声。
喜びを抑え切れない声。

ついさっきまで、
貴女の声は弾んでいて、
貴女は俺の愛しい人だった。


けれども一瞬にして、
現実が目の前に迫って来る。

貴女は母親。




 「子供の熱が下がらないの・・・」




明日になれば、
朝が来れば、
熱は絶対下がる。

きっといつもの様に、
元気に玄関を飛び出して行く。

そう強く願いながら、
物分かりの良い返事を返す。


 「絶対に無理はしちゃ駄目だ。」
 「ゆっくり看病してあげな。」
 「迎えに来られなくても良い。」
 「何処にでも行くよ。」






俺はそんなに大人じゃない。

貴女が嬉しさを全身で魅せるから、
子供が嫉妬して熱を出すんだ。

何とかして出て来い。

与えられた俺との時間が、
僅かで貴重な時間だと想わないのか?






俺がどう考えようと、
俺がどう想おうと、
そんな事は関係無い。

貴女に逢う為の解答は唯一であり、
他の方法はありえないのだから。



 「時間が遅くなっても良い?」



貴女の言葉は嬉しいけれど、
どうしようもなく憎い。
05月06日(月)
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