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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■鄭成功役、最適任は金城武(聯合報)●香港版「マリ・クレール」8月号・1
誰かにこっそり盗まれてしまったかのようだ。
感情生活が神秘に閉ざされたままの彼は、
その神秘のとばりが透けそうな質問を受けると、
子どものように大笑いして、「教えないよ!」と言う。
別のデリケートな質問に、突然まじめな回答を返す。
その子どもっぽさと成熟の間を行き来する男の味わいは、
言葉に表しがたい神秘的な魅力を放つのである。

読書について

「向左走、向右走」の原作を読んだとき、金城武は、
それが大都市の男女のさまざまな愛の形を描き出していることに感銘を受けた。
「ぼくはジミーの画風が好きだ。非常に清新で、個性に溢れている。
それに物語に表現されているような人の縁≠ノついての考え方は、
とてもユニークだと思う」

ジミーの本を金城武は、実はあまり読んでいない。
彼の読書の好みは、少年漫画から宗教的、あるいは哲学的色彩の本にまでわたる。
多分、この生まれながらに体内に2つの民族の血が流れる男の備える、
両極性のせいだろう。
「僕の好きな本は、本当にいろんなジャンルにわたってますよ。
それに、マンガも、子供のころから今までずっと好き。

ああそうだ……数年前、たまたま『神との対話』という本を読みました。
中身は、事業に行き詰まり、結婚離婚を繰り返して落ち込む男が、
絶望の縁で神と出会い、話をしたいと願う。
そこで、各種各様の命や存在、宇宙などについての答えが彼に与えられていく。
ぼくはこの本がすごく面白くて、友達にも読むよう紹介したいくらいです。
他には、中国文学や古代思想家の本を読みます。
老子や荘子なんかはすごく面白い。

現代の大都市で暮らしていると、人の思想はみんな同じようなものになりやすく、
個人個人のものを考える力がどんどん衰えていく。
この種の本は、どんな問題も、違う概念と価値観で考えることができること、
ものの見方はいくつもあることを教えてくれた。
いいことには、これらにはずっと前からマンガ版が出ていて、
わかりやすく書いてあるから、いろんな年齢層の人がその世界に触れることができるんです」
と金城武は言う。

あるいは、1つの問題には回答は1つしかないとは信じたくないということについて、
本のどんなところを読んで、そう思うようになったかとたずねると、
こんな簡単な質問に、ひどく悩んで、
でもやっぱり自分の満足のゆく確かな答えは出せないのだ。
「……うーん……はっきりしない……例を挙げるのは難しいよ。
ただ……だんだんと感じ取っていっただけだから。
たいていのことは、違った角度から見ることができるし、
違う思考モデルを用いれば違う考え方ができる」
話しながら、言いたいことを言えていない様子だ。彼は笑いながら頭を振った。
微かに笑うと目を伏せ、それ以上再び語らなかった。


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07月31日(木)
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