ID:19200
たったひとつの冴えないやりかた
by アル中のひいらぎ
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■アラノンの連絡先掲載問題
J&Cで有名なジョー・マキューとチャーリー・Pが出会ったのは1973年のこと。(AAのではなく)アラノンのコンベンションでした。チャーリーはAAメンバーとしてステップの話をしました。ジョーは最初に彼の名前だけを知り、有名なカントリー歌手のチャーリー・プライド(黒人)が出てくるのではないかと期待したのですが、それは勘違いでチャーリーは白人でした。

ジョーはたいそうがっかりして、「あいつは肌の色からして間違っている」と嘆いたそうです。

しかし二人はビッグブックに関する共通の関心を持っていることにお互いが気がつき、その後の交流がジョー・アンド・チャーリーのビッグブック・スタディに発展します。

この例で分かるとおり、アラノンの大会にAAメンバーがスピーカー(話し手)として招かれたり、AAメンバーがアラノンのイベントに参加するのは、アメリカでは普通のことだそうです(当然逆も)。そんなふうに、アルコール本人の団体であるAAと、その家族・友人の団体であるアラノンは、協力関係にあります。

しかし、日本ではそうなっていません。会話のない夫婦のように、冷え切った関係になっています。それについては、以前に雑記に書きました。
http://www.enpitu.ne.jp/usr1/bin/day?id=19200&pg=20100525

ビッグブックへのアラノンの連絡先掲載については、その後動きがあったようです。

毎年2月にAAの全国評議会が開かれます。その報告書が5月頃に全グループに届きます。もちろん(?)全然目を通していなかったのですが、7月に地元で内容の報告会があって中身を知りました。

アラノンジャパンは昨年設立30周年を迎え、その記念の大会が横浜のホテルで開かれました。AAの常任理事会あてに招待状が届き、理事会議長が出席したところ、来賓の序列では一番の扱いだったそうです。20周年の時には招かれすらしなかった(それだけ関係が悪化していた)わけで、これは20年ぶりの処遇です。

それを受けて、二週間後にAAとアラノンのあいだで話し合いが行われ、その内容も報告書に載っています。

まず、ビッグブックへの連絡先掲載については、アラノンが薬物依存の家族も公式に受け入れていることがAA側の最大の障害になっていたのですが、これはアラノンがアルコールの問題に限定するように方針が変更され、すでにホームページからも薬物の文言が削除されている説明がありました。AAの常任理事会では、ビッグブックへの掲載を決め、次の増刷から反映されることが決まっています。

こうして一つの問題が克服されたことは、大変よろこばしいことです。しかし、まだまだ両者の間には問題が山積しています。

AAのイベントでは、会場の隅でAAの本を並べて売っています。僕がAAにつながった頃は、アラノンの人たちがやってきてアラノンの本を並べて売っていました。しかし最近とんとそういう風景に出会いません。それについては、AAとアラノンで12ステップの文章が違ってしまった結果、並べて売っていると「どうしてステップの文章が違っているのか」という話が出て無用の混乱を招くので、それを避けるため、というのがアラノン側の説明だそうです。

AAとアラノンでのイベントの共催については、そもそもアラノンはグループ毎の外部向けサービスはしていないので、イベント共催など考えられないし、アラノンメンバーがAAの手伝いをすることは(おそらく共依存的な理由で)アラノンメンバーの回復に役に立たないと考えられていること。

アラノンメンバーがAAのイベントで話をすることは、アラノンは12の伝統で「AAメンバーのアノニミティを尊重する」としているので、実現は難しいこと。

そんな具合に、AA側の希望するような協力関係は難しいのですが、「AAの行事でアラノンの部屋をひとつ確保し、困っている家族がAAイベントに参加したときにアラノンメンバーと接触する機会を提供する」というアラノン側からの提案も報告されています。

AAメンバーの立場からすれば、現在のアラノンジャパンの運営方針には違和感を持つことが多いのも事実です。


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09月22日(木)
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