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たったひとつの冴えないやりかた
by アル中のひいらぎ
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■回復=掃除片づけ
スポンシーの持ちネタのような気もしますが、スポンサーの特権で使っちゃえ。

ビッグブックでは回復を家の掃除にたとえています。家=自分、掃除=回復です。

いままで掃除をしてこなかった家は、とても汚れて散らかっています(いわゆる汚部屋状態)。自分の心の中も、不要なものを溜め込んで掃除をしていないのでぐちゃぐちゃになっているわけです。そこで「エイヤッ!」と大掃除をするのが、ステップ4と5です。汚部屋を掃除するのは一大事業です。

要るもの・要らないものを分別し、不要品は捨て、必要なものは整理整頓してしまっておきます。すると部屋はさっぱり住みやすくなり、それは心の中の掃除も同じです。

しかし人が生活している家ではゴミが発生するし埃も溜まります。一度きれいになった部屋も次第に散らかってきます。同じように人の心の中も次第に汚れてくるものです。だから一度大掃除をするだけでなく、その後も日常の掃除を続けていくのがステップ10です。

人は生まれながらに掃除のやり方を知っているわけではないので、人生のどこかでそれを教わらなければなりません。その教師役はたいてい親です。掃除のやり方を苦もなく覚えてしまう人もいて、こういう人は自分が親から掃除をやり方を習ったと意識してすらいないものです。

しかし何らかの事情で親から掃除のやり方を教わらなかった人もいます。たとえばそもそも親が掃除のできない人だったとか、親子のコミュニケーションに障害があったとかね。さらには親の代わりに教えてくれる人に恵まれないとなると、大人になって汚部屋の持ち主になってしまうわけ。それは心の掃除についても同じことです。

そこで(心の)掃除の仕方を学べなかった人のために、それを教える手順が12ステップだ、とも言えます。もちろん教え方は12ステップだけじゃないので、回復には別の手段もあり得るのですが、ここでは12ステップの話を続けます。

ステップ4・5をやるためには、スポンサーを自分の汚れた家の中に招き入れねばなりません。要るもの・要らないものを分けてもらい、不要品の処分の仕方や、必要なものの整理整頓のやりかたを教えてもらいます。自分の外面だけを見せて棚卸しをしても意味がありません。

人は羞恥心を持っているので、散らかった部屋は人に見せたくないと思うものです。せめて自分で少し掃除片づけをしてからスポンサーを招きたいと思うのですが、そもそも掃除する能力があればこんなゴミ屋敷にはなっていないわけで、いったん先延ばし戦法を採用すると、どこまでも先延ばしを続けなければなりません。これが「ステップ4・5の先延ばし」です。

要る・要らないの分別も、不要品の処分も、「エイヤッ」と思い切ってやることが大切です。というのも、掃除ってのは一生続ける作業ですから、エネルギーをつぎ込みすぎて掃除をするたびに疲れ果てていたのでは、他のことができなくなってしまいます。経済の持続可能な成長・・じゃないんだけど、持続可能な回復のやり方じゃないと困るわけ。

不要品のなかには思い入れの強いものもあるでしょうが、そこは政治家の事業仕分けじゃないですが、バッサバッサと仕分けしないといけません。それでも端から見ていれば、あんな仕分けじゃ生ぬるいよなぁ〜、と思われちゃうのも事業仕分けと同じです。

06月24日(木)
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