ID:19200
たったひとつの冴えないやりかた
by アル中のひいらぎ
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■翻訳企画:AAの回復率(その6)
おそらく私たちの次なる未来に待っている大きな責任はこれでしょう。私はアルコールの問題全体を、アルコホリズムのぞっとする結果に苦しんでいる人たち全員のことを考えています。その数は天文学的です。
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ビル・Wはさらにこう述べている。「アルコホリズムが最優先の健康問題であるという事実への認識が広まるにつれ、公共の、国の、また個人のレベルでも、あらゆるところで取り組みが起きてくるでしょう」。彼はAAメンバーが政府機関に対して持つ怨嗟や疑念をたしなめ、AAの友人たちとのさらなる協力が必要だと説いている。
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外部の機関とより友好的に、より広範囲に協力することで、そうしなければ取り逃がしてしまう数多くのアルコホーリクに私たちの手が届くようになるのではありませんか? 私たちは愚かしくも成功を台無しにしているのではないでしょうか。おそらく、途方もない可能性を秘めたコミュニケーションを自ら妨げているのでしょう。
ですから、これについて新しい見方をしてみましょう。
考えてみれば、どのような見方をしたところで、私たちは成長から遠く離れていることにほとんどの皆さんが同意してくれるでしょう。私たちの使命は、個人としても、共同体としても、12のステップを継続的に使って正しく成長していくことです。
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1968年−最初のAAメンバー調査のパンフレットがAAWS/GSOから配付された(『アルコホーリクス・アノニマス調査―11,355人のAAメンバーが彼ら自身について答えた』と題されていた)19 。その7ページから引用する。
19. このメンバー調査は1968年の6月・7月に行われ、466のAAグループの11,355人のAAメンバーが参加した。
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とはいえ、このような調査票に回答することで、AAメンバーは幅広く抽出されたサンプルと、自分の経験を比較することができるようになった。これは1968年の夏の間に北アメリカのミーティングに出席した1万人以上のAAメンバーを調査した結果である。
これまで一般的にすべてのメンバーが手にすることができた調査・比較の基準としては、この共同体の初期に作られた大ざっぱな推定が唯一のものだった。その推定値は意外に正確であり、真剣にAAに参加した者(強調追加)の50%はすぐにあるいは最初の数週間以内に酒をやめ、さらに25%が最終的には酒をやめ、残りの25%は酒をやめられないひとつ以上の原因があるように見受けられた、というものだった。
この他にも何年間にもわたった調査があった。その中のひとつ、テキサスではあるひとつのグループのメンバーの経過が追跡された。また、ニューヨーク市やイングランドではより入念な調査が行われたこともある。
これらの調査の結果は50-25-25の推定を補強する傾向があり、AAが異なった場所で、またたいへん多くの人たちにとって、長い期間効果を現してきたことを示す励まされるものであった。ではあるが、これらの初期の調査には欠点もあった。例えば、標本数が少なすぎるか、地理的に限られた地域から得られていた。ある場合においては、標本はランダム抽出ではなくあらかじめ選ばれたものであった。
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(続きます)
01月30日(金)
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