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たったひとつの冴えないやりかた
by アル中のひいらぎ
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■医者は治してくれない(その1)
人は簡単に手に入るものには価値がないと見なしがちです。捨ててもまた簡単に手に入ると思うからです。友人から無料でもらったアドバイスはすぐに忘れますが、何万円も払ったカウンセラーから得た指示は一生忘れないものです(例え中身が同じでも)。だから相手のためを思うなら、無料でカウンセリングをするな、無料でものを教えるな、千円でもいいから金を取れ、と言われるわけです。同じことはあらゆる分野のコンサルタントにも言われています。
(AAのスポンサーはスポンシーから金を取るわけにはいきませんが、なるべくスポンシー側に手間をかけてもらって、伝えたステップをスポンシーが一生大事にするようにし向けるのが、良いスポンサーだという理屈になります)
こうした問題を避けるために、1年以内の再治療は保険適用としない、という仕組みでチャンピックスの販売が始まったはずが、いつのまにかその制限は取り払われています。これもチャンピックスの再喫煙の多さを間接的に示す事実です。
ニコチン以外にも依存症の薬物療法は行われています。ヘロイン依存症にはメタドン(メサドン)という鎮痛剤が使われます。これはオピオイドの受容体に働くアゴニストで、ヘロインへの渇望を減らす効果があり、ヘロインより害の少ないメタドンへ置き換える「メタドン置換療法」として使われます。もちろん、今度はメタドンの依存症になってしまうわけで、ヘロインよりメタドンの依存症のほうがやめるのが難しいとも言われます。
(次回はアルコール依存症の治療薬の話)
08月25日(木)
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