ID:19200
たったひとつの冴えないやりかた
by アル中のひいらぎ
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■ACと発達障害
実はスポンシーにはAQのスクリーニングテストをやってもらうように頼んでいます(自閉症のスクリーニング)。これが皆さんそこそこ高スコアをマークしてしまうのです。皆に発達障害のクリニック受診を勧めるほどではないものの、決して低くはない。ここから、AQの信頼性はともかくとして、

「アルコール依存症の人、あるいは自分をACだと思っている人の中に、自閉的特性を備えた人が多い」

という考えが生まれます。

付け加えると、客観的な(というか第三者からの)視点で証拠を示して「これだけのことをしてくれたんだから、やっぱり親はあなたのことを十分愛して養育してくれてたんじゃないかな」と指摘すると、割とすんなり(とはいかなくても数週間数ヶ月かけてすんなり)受け入れます。客観的証拠を示せば割とすんなりこだわりがひっくり返るのも自閉的と言えます。おそらくはその特性に従って、子供の頃から被害的認知が強化されてきたのでしょう。

一方、親がアル中であっても定型発達の人は、自分がACだという自覚があまりありません(これはこれで問題なのですが)。これでは話があべこべです。

もちろん世の中にはバッチリ虐待を受けて立派な?ACになっている人もたくさんいるはずです。だからAC概念そのものを否定するわけではありませんが、自分がACだと思ってACの問題に取り組んでいる人の多くが、実は親の養育姿勢よりも子供の側の発達障害のほうが大きく影響しているんじゃないかと思っています。その人たちが元々のAC用に用意されたプログラム(ミーティングでの分かち合いや、スポンサーとの親子関係の棚卸し)を何年やってもなかなか良くなってこない・・ということは現実に起きているわけです。

考えてみれば、クラウディア・ブラックは医師でも心理学者でもなくソーシャルワーカー(SW)でした。SWというのは「治す」のではなく、そのままのその人をなんとかうまく社会に適応させる方策を考えるのが仕事です。それはまさしく発達障害の人たちが必要としている福祉的支援です。ブラックの見ていたACの人たちは実は発達障害の人たちではなかった、と思ったりします。

依存症と発達障害の関係を考えている人が増えてきているように、ACと発達障害の関係を考える人も少しずつ出てきていると聞いています。

04月07日(木)
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