ID:1488
頑張る40代!plus
by しろげしんた
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■孤独と焦燥(15)
一ヵ月半はあっという間に過ぎていった。
結局このバイトは、以上のようなことの繰り返しで幕を閉じた。
今考えると変化のない毎日だった。
でも、前にも書いたが、ぼくはこの仕事が気に入っていた。
社会に出る感触を肌で味わっていた。
給料のありがたさを知ったのも、この時が初めてだった。

バイトが残り一週間になった頃から、「これが終わったらどうする?」とかいう話をSさんやIKなどとしていた。
Sさんは「ここが終わったら、旅に出る」と言っていた。一つのバイトが終わるといつも旅に出ているとのことだった。
IKは「すぐに就職を探す」と言っていた。
ぼくはそこからのことを考えられずにいた。
Sさんみたいに旅に出ることも、IKみたいに就職を探すことも、ぼくには考えられなかった。
何かやり残しているような気がしてならなかった。
結局は「また流れに任せて生きてみよう」というところに落ち着いた。
ラジオから、ふきのとうの「風来坊」が流れていた。


          完
10月22日(木)
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