ID:1488
頑張る40代!plus
by しろげしんた
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■モリタ君(10)
モリタ君がぼくの部門にいたのは半年ぐらいだった。
組織の変更に伴い、ぼくは楽器部門を離れた。
同時にモリタ君は商品の荷受けのほうにまわされた。

そこでのエピソード。
お客さんが買っていった商品に不良が出て、配送の人が交換して持って帰ってきた。
「おい、モリタ。不良品ここに置いとくぞ」と配送の人が言った。
「はい。これは不良品ですね。わーかりましたっ」とモリタ君は元気よく答えた。
それから2,3時間ほどして、その商品の部門の人が商品を引き取りに来た。
「モリタ君、さっき配送の人が不良品を持って帰ってきたと思うんやけど・・・」と聞くと、モリタ君は「知りません」と答えた。
そこでその部門の人は、配送の人に問い合わせた。
「確かにモリタ君に渡したよ」と配送の人は言ったが、モリタ君は「そんなこと知りません」と言った。
でも、不良品を持って帰った時のやりとりを見ていた人がいたので、モリタ君の嘘はすぐにばれた。
モリタ君は不良品の行方の追求を受けることになった。
結局不良品は捨てたということだった。
モリタ君はみんなからボロクソに言われ、弁償することになった。

この事件から少ししてぼくは会社を辞めた。
ぼくの送別会にはモリタ君も参加していた。
しっかりヘタな歌を聴かされた。
その後モリタ君と会うことはなくなったが、ある時風の噂でモリタ君が会社を辞めたと聞いた。
コックになると言っていたそうだ。
おそらく、履歴書には「特技:料理」と書いたのだろう。
10月02日(金)
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