ID:1488
頑張る40代!plus
by しろげしんた
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■故障車(3)
およそ30分してJAFの人が来た。
電話で状況を説明しておいたが、来た人は知らなかったようで、もう一度状況を説明した。
するとその人は、いとも簡単に「ガス欠じゃないんですか?」と言う。
「ガス欠じゃないと思いますけどねえ。まだEを少し下がったくらいですから」
「そうですか。ま、いずれにしてもここでは見れませんね。まったく動かないんですか?」
「ええ」
「ちょっとエンジンかけてみましょうか」
「かかりませんよ」

ところがである。
JAF氏がエンジンをかけると、かかったのだ。
「かかりますねぇ」
「はあ…」
「じゃあ、ホームセンターの駐車場で見ますから、そこまで移動して下さい」

ぼくはまた車が止まるんじゃないかと、ヒヤヒヤしながら車を動かした。
しかし、ちゃんと50メートル先のホームセンターまで停まらずに進んだ。
入口が少し登り坂になっているのだが、そこが一番広いので、他のお客さんに迷惑がかからないと判断し、そこに車を止めた。

で、JAF氏の点検が始まった。
JAF氏はまず車を動かした。
ぼくは坂を登るような向きで置いたのだが、逆に坂を下る向きで置き直したのだ。
バッテリーでも充電するのだろうかと思っていたら、
「このままエンジンをかけたままにしておきます」と言う。
「はあ」
「もうすぐ止まると思うんですけど…」
「えっ?」

そうこうしていると、エンジン音がそれまでの「ブルブルブル」から、先ほどの「ト、ト、ト、トントン」に変わり、「トン、トン、トン、ト、…」と鳴って、止まった。

「ああ、やっぱり」
「なんですか?」
「ガス欠です」
「え?」
「止まったのは、坂道の下りだったでしょ?」
「ええ」
「この車はガソリンが少ない場合、下りの坂道とかでガソリンがエンジンに行かなくなるんですよ。だから止まったんです」
「…そうなんですか」
「ええ。いちおうガソリン10リットル用意してますんで、入れてみましょうか?」
「ガス欠なら、ガソリン入れんと動かんでしょ?」
「ええ、じゃあ入れてみますね」

JAF氏がガソリンを入れると、エンジンが動き出した。
5分ほど様子を見ていたが、止まる気配はない。
やはりガス欠だったのだ。
ということで、JAF氏はガソリン代を受け取り帰っていった。

ガス欠になったなんて、生まれて初めてのことである。
おそらくこの車には、予備タンクなんてついてないのだろう。
ま、走ればいいと思って買ったのだから、文句は言えない。
早く新車を買わんと。
10月24日(水)
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