ID:1488
頑張る40代!plus
by しろげしんた
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■30年前ツアー
今年の初夢は、印象的なものではなかったので覚えていない。
ありきたりな、どうでもいいような夢だったと思う。
今年に入ってからは、ずっとそういう夢ばかり見ている。
そういうわけで、今年は大したことのない年なんだろう、と勝手に占っていた。

ところが、今朝見た夢はかなり印象的なものだった。
それも、これまでに見たことのない、SF的なものだったのだ。
タイトルをつけとしたら、『30年前ツアー』ということになるだろうか。

何かこの世の終わりがきているような場面から、夢は始まった。
案内の者がしきりに、
「宇宙に行かれる方はこちら、30年前に戻られる方はこちらにご乗車下さい」と言っている。
どうしようかと迷ったあげく、ぼくは30年前行きの乗り物に乗ったのだった。
そこで元いた会社の先輩に会う。
「あっ、しんちゃん」
「Tさんもこれに乗るんですか?」
「うん。これに乗って、もう一度やり直してみようと思う。あんたもそういう意図で乗ったんやろ?」
「それもあるんやけど、あの時代をもう一度見てみたいんですよ」
「なるほど。しかし、これが着いた頃には、お互いまた知らん同士になるんやね」
「ああ、そうなるんでしょうね」

その乗り物は1日10年のペースで、時間を遡っていった。
窓の外の風景がだんだん昔に戻っていき、空は公害のせいで霞んでいく。
3日目、ようやくタイムマシンは30年前に着いた。
その時には、もう先輩の姿は見えなかった。

懐かしい街並みの中に、亡くなった伯父の姿を見つけた。
「しんた、釣りでも行くか?」
30年前ならすぐに「行く」と返事したのだが、その時は違った。
ちょっと躊躇したのだ。
ぼくはあることに気づいた。
ちょっと躊躇するのは、今の自分なのだ。
伯父がぼくに気がついたのだから、確かにぼくの容姿は30年前に戻っていたのだろうが、心はそのまま今だというわけだ。

釣りに行くかどうか迷っているうちに、夢は覚めてしまった。
もしこれが初夢だったとしたら、この一年をどう判断したらいいのだろうか?
懐古的になるということか。
しかし、それなら今までと何ら変わらない。
01月06日(土)
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