ID:1488
頑張る40代!plus
by しろげしんた
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■いつも港が生活の中にあった
『夢のかけはし』
夢のかけはしを、ひとり渡ろう
風もなく、波もなく
ただ、静かな闇の上を
通り過ぎる日よ、音もなく続く
かもし出す街の灯は
影も映さず
ああ、なぜに人はいぬ
声を上げ、振りかえる日々よ
時は過ぎ、愛は朽ち
切ない夜よ
夢のかけはしは、まだ遠く長く
うたもなく、星もなく
冷たい日々よ
遠く浮く、船の帆影よ
映し出す、淡い月明かり
呼ぶ声は闇に行き
汽笛の声に打ち消され
夢のかけはしを、ひとり渡ろう
風もない、波もない
冷たい日々よ
19歳の頃に作った歌の歌詞である。
全体に七五調的なので、もしかしたら演歌の歌詞のように感じられるかもしれないが、実際、曲も演歌っぽい。
そのため、曲を発表するのを避けている。
なぜ避けているかというと、ぼくがこれまでに作った歌のほとんどは、生涯青春的なものである。
また、ぼく自身も、常にそういうイメージを自分に抱いている。
そのため、演歌なんかを入れてしまうと、違ったイメージを持たれるのではないかと危惧するからである。
ところで、この歌詞のように、ぼくが作った歌や詩には、港を背景にしたものが多くある。
意識的にそうしているのではない。
生活に即しているのだ。
前にも書いたと思うが、ぼくの家から歩いて10分(実家からだと5分)の位置に港がある。
30年ほど前までは、車の騒音も少なかった。
そのため、夜になるとあたりは実に静かになり、船の汽笛がすぐそばに聞こえていた。
つまり、いつも港が生活の中にあったということだ。
そのせいで、港が歌詞や詩に顔を出すようになったのだろう。
特に20歳の頃までの作品にそういうものが多いのだが、その頃は詩の書き始めに、いつも港があった。
一時、それを払拭しようと、抵抗を試みたことがあるのだが、結局は「船」だとか「汽笛」だとかいう言葉に負けてしまった。
それが、港が生活の中に入ってこなくなる、東京時代の直前まで続いたのだ。
10月04日(水)
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