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頑張る40代!plus
by しろげしんた
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■招かざる客
連日、テレビで拉致被害者の帰国報道ばかり見ている。
本人たちの記者会見なんか開いても、なかなか本音などは聞けないだろうから、そういうことは一切やめて、そっとしておいてやるのが、ぼくは一番だと思っている。

ところで、今回ぼくが帰国者に対して一番注目したのは、言葉だった。
先日一時帰国した寺越さんは、日本語が出来なくて、朝鮮語で会見に臨んでいた。
そのことがあったので、今回はどうだろうと思っていたのだ。
結果は全員日本語だった。
ただ、一番日本語がしっかりしていた地村さんや蓮池さんも、助詞の使い方が不安定であり、語尾に力強さがなかった。
おそらく彼の国で、家の中までも日本語の使用を禁じているせいだろう。
とは言うものの、帰国者の方々は日がたつにつれ、日本語がうまくなっている。
その極端な例が、曽我ひとみさんだ。
帰国当初、あの方の日本語の発音は、唯一外国人の発音だった。
しかし、佐渡に戻ってからの発音は、日本人のそれになっている。
もし日本での生活が許されるなら、1ヶ月もせずに完全な日本の発音に戻るはずだ。

さて、ぼくが一連の放送を見る理由は、拉致被害者の帰郷の光景を見たいということももちろんあるのだが、それとは別に、帰国者とは直接関係のない面白い人たちを紹介してくれるからだ。
それは、あるニュースで『招かざる客』と紹介された、朝鮮赤十字の職員たちである。
彼らは日本政府から同行を拒否されたものの、「金を出すからチャーター機に乗せてくれ」とせがみ、帰国者から隔離された状態で同行してきた。
帰国者といっしょにタラップを降りることを許されず、帰国者が空港を離れた後にノコノコとタラップを降りてきた間抜けな姿が、ぼくにはおかしかった。
さらにおかしかったのは、彼らへの執拗なレポーター攻撃である。
「いったい何をしに日本にやってきたのですか?」
「今からどこに行かれるのですか?」
などと聴かれ、さらに移動すれば尾行される。
さすがに彼らも、「日本はプライバシーを守るということがないのか」などと口走り、いささかうんざりした表情をしていた。

彼らは知らないだろうが、日本のレポーターはプライバシーを暴くことを商売としている。
ぼくは基本的には、レポーターの質問を聴くたびに「余計なお世話」と思ってしまうのだが、今回は別である。
どんどんやってやればいい。
日本の報道は北に筒抜けだと言っていた。
じゃあ、それを逆手にとって、彼らの不利になるような質問を投げかけてやればいいのだ。
「日本はどうですか? 北よりもずっといい暮らしをしているでしょう。あなたたちもこういう国で暮らしたいと思いませんか?」
「今回、帰国者に同行してきたのは、あなたたちが亡命するためですか? 亡命先はどこですか? 韓国ですか? アメリカですか?」
「リさんの亡命のうわさが出ているのですが、その件について答えてください」
「日本に女でもいるんですかー?」
こういう質問をされれば、いかに狡猾な彼らといえども、「こんな質問を受けているところを報道されたらまずい」と思い、ホテルから出なくなるだろう。
さらに、レポーターはロビーにも張り込んでいるから、結局部屋から一歩も出られない状況になる。
その上で、教育放送しか受信できないように、彼らの部屋にあるテレビやラジオのチューナーをハンダ付けしてやればいいのだ。
もちろん電話も内線のみにしてしまう。
そうすれば、彼らの活動は出来なくなり、帰国後、親愛なる指導者同志にお目玉を食らうことになるだろう。

今日で拉致被害者の方々も全員帰郷したことだし、もうマスコミも彼らを追い回すことはやめ、そっとしておいてあげてもいいのではないだろうか。
代わりに、このおかしな『招かざる客』、朝鮮赤十字職員の報道をどんどんやってもらいたいものである。
10月17日(木)
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