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頑張る40代!plus
by しろげしんた
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■履歴書 その7
「うそつけ」と彼は、ぼくの頬を殴った。
二度も殴られたので、ぼくは頭に血が上り、その男を睨みつけた。
「なんかその目は?」
さっきの男がそう言って、またナイフをちらつかせた。
すると、他の男が「おい、ナイフはやめとけ」と言った。
ぼくは『こうなれば一戦交えんといけん』と腹をくくった。
ところがその時、『ナイフはやめとけ』と言った男が、「お前たち、もう行ってもいいぞ」と言った。
ぼくたちが唖然として立っていると、「早く行け」と言った。
ぼくたちは、その場を離れた。

後でわかったことだが、その日朝高は休みだったらしい。
ということは、朝の男も朝高の人間だったのだろう。
高校生面をして、私服を着ていたのだから。
しかし、二度もこんな目に遭うなんて、最悪な一日だった。
その後、ぼくは体格がよくなったせいか、こういう被害に遭うことはあまりなくなったが、他の生徒はけっこうやられていたようだ。
そんなふうに、ぼくの行った×高校は、女子が多いからというだけで、男子は弱いとなめられるような学校だった。
また、女子が多いというだけで、『恋愛学校』と呼ばれる学校でもあった。

12月18日(水)
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