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リュカの日記
by リュカ
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もしもその時点で「4.5歳の頃にお兄ちゃんと遊んだ」という記憶があったのだとしたら、たとえ「Cこそがその時のお兄ちゃんなんだ!」なんて事を感じる事が無かったとしても、少なくとも「どこか懐かしい感じがするな」程度の感覚は蘇ってきても良かったはずだ。
しかし、そんな事も一切無くて。
どういう事だろう。
仮に、メッセの子がお兄ちゃんと遊んでいたのが1990年だとする。
そして、2009年のC君が1990年に旅立つとする。
そこでC君が行動を起こすとする。
そのC君が1990年に起こした行動、による「影響」が発生してくるのは2009年になってから?
1990年から2008年までは何事もなく、2009年になって初めてその影響が発生し、あたかも「最初からそうなっていたのだ」という風に過去が書き換えられてしまう、という事だろうか。
何故ならC君は2009年の存在だから。
もっと具体的に言うならば、2009年1月1日の午前0時にC君が1990年に旅立つとする。
そして、例えば1990年にタイムスリップした「3時間後」にC君がメッセの子のお腹をナイフか何かで刺すとする。
すると、メッセの子のお腹に「ナイフで刺された古傷」が浮かび上がってくるのは2009年1月1日の午前3時から、という事になるのだろうか。
あくまで「時間移動によって変化させてしまった未来」、その影響が生まれるのは「時間旅行者にとっての時間軸」に沿った時間になるのかな。
(1990年に来て3時間後、C君にとっての本当の時間は2009年1月1日の午前3時だから)
そして、メッセの子はその2009年1月1日午前3時の時点から「この傷は昔からあったんだ」と『認識』するようになるのかな。
1991年から2008年までの間は、一切「自分は90年にお腹を刺されたんだ」という事を「意識する事」すら無くて。
もちろん、タイムスリップなんて現代人の科学では不可能だし、この先可能になるのかどうかも分からない。
だから、実際にタイムスリップによって起こした影響、がどのような形で現在の時間軸の中に発現してくるのかなんて、その正確なところは誰にだって分からない。
しかし、メッセの子の話を聞く限りでは、C君はまさにそれをやったのだ。
だから、それによって現れた影響こそが「時間旅行によってもたらされた影響、の発現方法、その正確な「答え」になるのかもしれない。
極端な話を言うと、2009年1月1日午前0時、この世にAさんという一人の人間が実在するとする。
C君が1990年に旅立ち、その3時間後に向こうでAさんを殺害する。
しかし、こちらの世界(俺達が居る時代)じゃAさんは2009年1月1日午前3時までは確かに実在する人間として生きている。
そして、2009年1月1日午前3時になって、突然Aさんの存在がフッとこの世から消滅してしまう。
そして、その時点で過去が書き換わって「Aさんなんて人は今現在存在しない。あの人は1990年に殺されたじゃないか」と、現代人の記憶もそれと同時に書き換わる、と。
しかし、1991年から2008年までの間、誰も「Aさんが90年に殺された」という事を認識しない。2009年になって始めて、90年以前にAさんに関わっていた人間達が一斉に、思い出したかのように「Aさんは90年に殺されたよな」という事を考え出すのだ。
俺はこういう風に仮説を立てた。
しかし、メッセの子は「それだと矛盾が出てきます」と。
例えば、C君が1990年でメッセの子の腕をもぎ取ったとする。
メッセの子は中学時代に運動系の部活動に所属していた。
しかし、C君が1990年に起こした行動によって発生する影響が実際に発現するのは「2009年」だ。
腕が無ければ、もちろん運動系の部活動に参加する事なんて出来なかったはず。
なのに、1991年から2008年までの間「自分は腕を失っていた」という事を「認識出来ず」に過ごして行くだなんて事は不可能だ、と。
確かにそうなのかもしれない。
頭が混乱してしまう。
結局、俺もメッセの子も「何がどうなっても結局矛盾を作るんだ」と結論付けた。
俺はメッセの子に「そのお兄ちゃんが居なくなってから今になるまで、例えば小学生になった頃や中学生になった頃、『4.5歳の頃に遊んでくれたお兄ちゃんが居たなぁ』って振り返る事は無かったの?」と質問してみた。

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07月04日(土)
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