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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「オデッセイ」(MX4D 字幕)


映画人生初のMX4Dです。いつも「お前ばっかり映画観て」と、夫から罵られているので、この作品なら夫も楽しめるかも?と、誘ってみたら二つ返事でOK。夫婦50割引きで安く観られるので、どうせなら新しい方式で観ようか?多分3Dより500円くらい高いくらいだろうし。と思って、予約開始になって、ふたを開けると、何と鑑賞料金+1600円で2700円ですよ、奥さん!(私は3Dメガネ持っているので、-100円)。二人で5300円?観る予定の日は、TOHOシネマズの日で、皆々様1100円と、夫婦50割引きのお得感もござらん。愕然として、

私「普通の3Dでええやん」」と言うと、
夫「話の種にええやないか」と仰る。
私「でも高血圧の人は、止めた方がいいみたいやで」(←最近薬を飲み始めた夫。観るのを阻止したい妻)
夫「ええやないか、大丈夫やろ」

いやに食い下がるなー。こんな事なら、ポイント貯まっていた分使って、一人で見れば良かったわー(夫が観たがっているのに人でなし)。そして極めつけは、

夫「長い事映画の感想書いていて、読んでくれてはる人に、こんなんやったと、伝えなあかんのと違うか?」

ええい、その言葉で腹は決まった!大枚5300円払ってやろうじゃないか!
映画は前評判に違わず、すごーく良かったです。MX4Dについても後で書きます。監督はリドリー・スコット。

火星を探索中の宇宙船ヘルメス。船長のルイス(ジェシカ・チャステイン)と5人のクルーでしたが、突然の嵐に見舞われ,火星より撤収する事にします。その作業中クルーの一人ワトニー(マット・デイモン)が、撤収作業中に折れたアンテナの直撃を受けて吹き飛ばされ行方不明に。その状況からワトニーの生存は絶望的で、ルイスは他のクルーの命を優先し、火星から脱出する事に。報告を受けたNASA長官サンダース(ジェフ・ダニエルズ)は、ワトニー死亡と発表します。しかし奇跡的にワトニーは生きていました。火星の探索はこの後4年後。ワトニーのサバイバルが始まります。

とにかくワトニーが超ポジティブにして、楽天的。わずかな食糧の中からジャガイモを選び、人糞を肥料に火星の土を利用して、あっと驚くハウス栽培。彼は宇宙飛行士にして、植物学の博士。芸、いや学びは身を助く。その他クレーン車も動かせば、大工仕事も。冒頭の傷口の手当は、ドクター顔負けでした。何と言うか、一人TOKIO?(笑)。ビニールとかガムテープもどきとか、あんなのが死ぬか生きるかの時、ましてや火星で使えるのか!?と、少々驚愕でした。ここもTOKIO感倍増(笑)。とにかく次にどんな手を打つか、考えて考えて実行に移す。人間って智恵の生き物だなぁと、感心します。

自分の記録をコンピュータに録画するワトニー。ユーモアも毒もいっぱい。彼の頑張りの元は、「こんな所で死ねるか」なんですが、それより私が感じ入ったのは、ストレスがあったり、死を覚悟しても、孤独感が全くないのです。NASAがワトニーを見つけてから、古い機械で交信しだしてからは、一層でした。

これは食物を育てているなど、一人なのでやる事がいっぱいで、孤独に浸れないと言うのもあるけど、ワトニーを支えたのは、ルイスが残していった、ディスコミュージックじゃなかったのかなと思います。ディスコミュージックと言うのは、熱く愛を歌ったり、音楽はダンサブルで、俗っぽい。娑婆そのものじゃないですか。死んでたまるか、もう一度娑婆に戻ってやるぞ!と言うファイトを沸かせたんじゃないかなぁ。

配役の目配せは、NASA広報統括に女性(クリスティン・ヴィグ)、宇宙探索の責任者に黒人(キュエテル・イジョフォー)、クルーにヒスパニック(マイケル・ペーニャ)、エンジニアのトップは中国系。そして船長は女性。もちろん要所要所に白人男性(ダニエルズ、ショーン・ビーン)を配し、完全平等の世界観です。これが現在のアメリカですよと、言っているのか?NASAはCIAみたいに非情じゃないし、叩き上げは、キャリア組であろうトップにも噛みつくし、お決まりだけど、表層的から一歩抜け出た、丁々発止を見せてくれます。


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02月15日(月)
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