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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「グエムル 漢江の怪物」
グエムルを退治した後、ヒョンソは死んでしまいびっくり。こういう作品なら、必ずヒョンソは救われるはずだからです。しかしラストの一年後、ヒョンソが守ろうとした幼児を育てるカンドゥが、アメリカのウィルス事件のでっち上げを謝罪するニュースを流すテレビを、足の指で興味なさそうに止めた姿で、ある思いが湧きました。韓国というと、「恨の国」と称されることも多いですが、これは「恨みの国」ではありません。「恨」という言葉は、「情」や「想い」といった感情が、色濃く現された言葉です。その言葉と対極のような「ケンチャナヨ(気にしない)」という言葉もまた、韓国人を表す言葉です。くよくよしない、執着しないという意味です。今更謝られてもしょうがなし、他人の子だが、ヒョンソの「忘れ形見」のようなこの子を大切に育てる、「恨」も「ケンチャナヨ」も両方表現するシーンであったと感じました。この言葉もまた、目の前に映さねば、今の韓国では忘れられているのかも知れません。
たくさんの食べるシーンが印象的でした。韓国人というのは食べることが大好きな民族、それもお腹いっぱいにというのが、私の意見です。少し前まで貧しかった韓国が、三段飛びで豊かになった今、この作品の盗みをしてお腹を満たすような子供は、大幅に減ったことでしょう。昔のひもじさを思い出すのは大切なこと、若いジュノ監督がそう言っているかのようです。
09月04日(月)
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