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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ギフテッド」
物語は、泣いたり笑ったり、色んなエピソードを詰め込み、子供の幸せとは何か?を問いかけます。フランクは言います。最初はすぐ里子に出そうと思っていたのに、メアリーは毎日面白かった。日々の暮らしが楽しく、ここまで来たと。私が一番ほのぼのしたのは、「俺だって一人になる時間が欲しい」と怒鳴り、メアリーを傷つけたフランクが謝るシーン。「お前だってピアノが欲しいと言ってダメだと言ったら、俺に死ねばいいと言っただろう?あれと同じだ」。これで子供が納得するのは、大したものです。メアリーは、フランクが一番愛しているのは、自分だと言う、絶対的な愛情を受け取っているのです。フランクは本当の「父親」だと思いました。一人でいる時間が欲しいと願うのは、一生懸命子育てしているからです。この台詞に共感する人は多いと思う。

そして裁判の最中、この選択は正しいと思うか?と問われて、「わからない」と答えるフランクの言葉にも、強く共感しました。その最中なんて、何か良くて正しいのかなど、本当にわからない。この選択は、本当に子供のためか?母親の私が楽したかっただけじゃないか?本当にこれで良かったのか?私も自問自答ばかりの、惑う情けない母親でした。でも子育てが終わり、「わからない」が、正しかったのだと感じています。独善的に突き進むイブリンを観て、再確認しました。

キャプテン・アメリカことクリス・エヴァンスは、髭を蓄えた方が断然素敵。暖かみと包容力抜群で、父性も育つものだと痛感させるフランクを好演。そして初めて観たマッケナちゃん、超絶可愛い!溌剌としたお転婆なメアリーを、これが地なのか?と思うほど、素直な演技で魅了してくれます。数学の天才役なので、難しい単語も出てきますが、難なくこなしています。歯が生え変わる時期で、歯抜けの笑顔もとっても可愛い。私は子供はこの時期が好きだな。ちゃんと会話も出来るし、大人が想像しない事もやってくれるし、一番面白い時期だと思います。そしてリンゼイ・ダンカンが演じてくれたから、私はイブリンが嫌いになれないのだと、思いました。多かれ少なかれ、母親にはイブリン的部分があると自警する気持ちは、子育ての上で大事だと思います。

夕日に向かって、メアリーがフランクにじゃれつくシルエットのシーンが秀逸。あの多幸感は、苦労の多い子育てに忙殺される者に対しての、御褒美です。私は大した子育て論を吐ける、立派な母親じゃないけれど、成人した子供三人とは、現在良好な関係です。育てる者と子供が、毎日笑顔の日々を送ること。子育ては、これに尽きると思います。笑っていれば、子育ての苦労なんか、いつか忘却の彼方に吹っ飛ぶ日が、来るんだよ。

12月06日(水)
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