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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「17歳」(オンデマンドで視聴)
アリスがジョルジュと出逢ったのは、17歳の時。ジョルジュは、若き日の妻を、イザベルを通して見つめていたのでしょう。それは実の娘とは違う、女性を見つめる愛情で。イザベルはその愛を肌を通して感じたから、ジョルジュが好きだったのです。
女性は灰になるまでと言うけど、本当かしら?私はセックスしている70歳の自分は想像できない。男性の方が、性的には煩悩が無くならないのじゃないかしら?妻が肉体的に夫の相手が出来なくなった時、若き日の自分に似た女性を求めた事は、妻を愛している証拠では?
本当は皮肉なはずなのに、幸福感を表す演出が本当に素敵です。それを体現出来たのは、ランプリングだからこそ。彼女の若き日の美しさが脳裏に焼き付いていて、本当に良かった。イザベルは才知と美貌に恵まれながら、自分の若さに弄ばれた子です。アリスがそうしなかったのは、ジョルジュの存在があったからと、アリスは噛み締めていたはず。
アリスと語り合った事で、イザベルの荒ぶる魂は今後収まるのだと私は思います。センセーションな題材で描いているのに、語り口が洗練されているので、決して下品ではなく品があります。これが日本だと、また事情が違うのでしょうね。危うい年齢の少女を描いた、フランスの素敵な青春ものです。
08月21日(日)
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