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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ファニーゲーム USA」
何が潔いって、この二人の青年が、何故こんな酷いことをするのか、一切説明がないことです。彼らにはただのゲーム。彼らを病的だとも、心の闇を抱えているだのという「言い訳」が、全くありません。それが却って、どんな理由があろうとも、暴力は暴力、絶対ダメなのだと、私には強く感じました。

チャンスがあるのに、相手を撃つ事ができない息子、こんなどうしようもない状況で、妻に「申し訳ない」と謝る夫の姿。夫として父親として男として、自分の不甲斐なさを心から詫びています。そして足を折られた夫もいっしょにと、決して自分だけ逃げようとはしない妻の姿。これが理由なき快楽的な暴力を楽しむ二人の対比となって、人間の持つ良心や善なる心は、どんな状況においても、失われることはないのだと、逆説的に浮かび上がらせています。

出演者はみんな好演。特に演技派の誉れ高いワッツは、散々な姿にされ、鼻水垂らす大熱演ですが、プロデューサーにも名を連ねているそうで、さすがだと感心しきりです。

マイケル・ピットがカメラに向かって話したり、リモコンで巻き戻しして場面を別方向に展開させたりとと、ちょっとしたおふざけがありますが、私はユーモアだと感じました。何度も逃げるチャンスがあって、その度にこっちまでドキドキしてと、そういう疲労感はありました。でも評判ではかなり精神的にやられると聞いていましたが、そうでもなかったなあ。それは一見全く救われないお話だと描いているのに、私が勝手に光を見出したからでしょう。うん、これでハネケは私には合う!と確信したと言ったら、また変人扱いされるかなぁー。

01月30日(金)
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