ID:10442
ケイケイの映画日記
by ケイケイ
[930429hit]

■「レボリューショナリーロード /燃え尽きるまで」
ラスト近くの夫婦だけの朝食場面が秀逸。エイプリルの様子は、タイトルの副題「燃え尽きるまで」を予想させました。昨日の修羅場が嘘のような穏やかな夫婦の姿。「あなたの今度の仕事は何をするの?」「言ってなかった?言ったはずだよ」「いいえ、聞いてないの」。嬉しそうに妻に語る夫。それも詳しく。妻の質問が嬉しかったのでしょう。この会話の深い深い意味。

エイプリルは夫と共に人生を歩きたかったのです。後ろでも前でもなく、一緒に腕を組んで、手をつないで。彼女の中でそれを実現するには、誰も知らないパリで暮らすことが必要だったのです。「ベティ・ブルー」のベティーは、愛するゾーグが小説家ではなく、水道工に甘んじているのを「あなたはそんな仕事をする人ではないわ。私あなたを尊敬したいのよ」と言います。それは水道工を馬鹿にしたのではなく、愛する男に本来の才能で開花してほしいと願う、切なる言葉だと思います。私が養うから、あなたはあなたの好きな道を見つけて。そしてあなたらしく生きて。エイプリルもいっしょなのではないでしょうか?

しかし妻には欺瞞に満ちていると見える夫の姿、私にはこれが本来のフランクの姿だと感じます。妻は夫に理想を押し付けているのか?それともフランクには、本当に別の自由な彼の生活があるのか?そして一環して夫が妻に望むのは、「良き妻」のみであること。本当に夫婦とは難しい。

亡き姑は私に「男の言う怒りに任せた言葉は、全部口から出まかせやで。信じたらあかん」と、常々私に言ったものです。フランクの妻への罵詈雑言は本当にそうだなと思いました。しかしエイプリルの言葉は、全部本心でした。このすれ違い。それを埋めるのが、ラストのベイツの夫が妻の言葉をさえぎるため、黙って補聴器を切ることであり、夫婦ともそれぞれフランク夫妻に気があったのに、何事もなかったように夫婦を続ける隣人夫婦の姿でしょうか?

「タイタニック」から十年以上。レオもケイトも順風満帆の役者街道を歩き、華と実力を兼ね備えた、立派な俳優となりました。今回もささやかな心の機微も繊細な演技力で表現し、観る者に強く訴えかけ、理解もさせる演技で、堪能させてくれます。

夫婦生活を長続きさせるコツは、色々言われます。馬鹿になる、我慢する、理解する、受け入れる。どれもが本当です。「そうか、君はもういないのか」のドラマ化で、気の利いたセリフを聞きました。「夫婦は無邪気でいること」。無邪気に楽しみ、無邪気に困難と戯れる。無邪気と言う言葉からは、立ち向かうという言葉は似合わないので。今のところ、この言葉が一番気に入っています。

01月25日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る