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龍神様のささやき
by 龍
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■お大使様の悟り(2)
「六塵(ろくじん)はよく溺る海、四徳は帰する所のみねなり。」

◇意味
「六つの感覚器官は人々溺らせる海である。常楽我浄という四つの徳こそ、人々が帰依すべき峰である」

前回に引き続き、今回もお大使様の言葉をお送りさせて頂きます。

さて、人間には五感(目、耳、鼻、口、手)がありますが、それに心を足したものを六つの感覚器官としてあらわす事がございます。
目で見る物事、耳に聞こえる音色、鼻で嗅ぐ匂い、口で味わう食べ物、手に触れるもの、そして心や気持ちが求める感情。しかしそれらの感覚は時として強い欲を発し、その海に溺れてしまう事がある。お金や名誉に溺れ、女性(異性)に溺れ、お酒に溺れて自分を滅ぼしてしまう事がございます。

仏様の教えには、そんな状況を例えた言葉があります。

「人々が欲望の火を燃え上がらせて、華やかな名声を求めるのは、お香がかぐわしい煙を上げながら自分の身を焼いて消えていくようなものである。早く消さなければ身が危ない。」

「財産や名誉をむさぼり求めるのは、子供がナイフに塗られた蜜を舐めるようなものである。甘さを味わっているうちに、やがては舌を切る。」

「愛欲を求めて満足を知らない者は、火のついたたいまつを持って、風に向かってゆくようなものである。やがて手を焼き、身を焼くのである。」

これらの表現は、上記でもお伝えした六つの感覚の根本にある欲、六根が影響している面がございます。
それを離れる為の術として、常・楽・我・浄という四つの徳があるのですが、この四つを簡単に例えると、とらわれない事で苦しみのない楽があり、「自分が、自分が」といった我もなく、心を浄らかなに保つ大切さを説かれた言葉となります。

さて、私達が四つの徳に近づき、欲を離れた穏やかな毎日を過ごす為には、よくお伝えする言葉ではございますが、日々の反省と感謝を忘れない事や、自分の人生の目標に向かい、毎日を一生懸命に過ごされる事がポイントとなって参ります。

普段の中で、私達は「誰々に会いたい、電話して声を聞きたい、メールしたい」、「○○に行きたい、あれが食べたい・・・」などなど、感情に左右される事が非常に多くあるものです。
それ自体はごくごく普通の事ですが、感情が強くなる事によって周りが見えなくなり、他の誰でもない自分自身が苦しくなってしまう事もございます。

本当に怖いのは、自分では気付かず知らず知らずのうちに欲に流されてしまう状況があるのですが、そうならない為にも、改めて上記の事を胸に自分を整える。心を整える大切さを知り悩みや苦しみから離れ、よりスムーズな皆様の歩みに繋がれば嬉しく思います。
08月03日(日)
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