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龍神様のささやき
by 龍
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■重陽(ちょうよう)の節句
今日は、五節句の一つである重陽の節句となります。今までの便りにて、1月7日の人日、3月3日の桃、5月5日の端午、7月7日の七夕という節句をお話させて頂きましたが、一年の中で最後にある節句となります。

以前、「陰陽」に関するお話を致しましたが、陰陽説においては、数字の奇数を陽として考え、陽数の中で一番大きい「9」の数字が重なる日である為に、「重陽の節句」と呼ばれております。

その昔の中国では、この日に、茱萸(しゅゆ)の実がついた枝を身につけ、またはその実を袋に入れて、丘や山に登る風習がありました。丘や山に登る背景には、昔の中国には、山に登って神様をおまつりする思想があった事によります。
その他にも菊の花を飾り、菊の香りを移した菊酒を飲み、邪気を払って長命を願うなどの行事が行われておりました。

それが、平安時代の初期に日本にも伝わり、最初は宮中の行事として行われていたものが、時代と共に武士や庶民へと伝わり、多くの行事が行われていたと言われております。
しかし、今では特別に何かをする機会もなく、残念ながら馴染みの薄い節句となってしまいました。

別名を「菊の節句」とも言い、旧暦では菊の花が咲く時期であった事がそのいわれとなりますが、暦が新暦へと変わり、菊が咲く時期と合わなくなってしまった事も、現代に引き継がれなくなってしまった、一つの要因なのでは・・・と考えられております。

改めまして、今現在大きな行事はないものの、他の節句と同じように、皆様の幸せと健康を願う節句である事を知識の一つとして、心の隅に留めて頂けたなら幸いに思います。
09月09日(日)
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