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龍神様のささやき
by 龍
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■六つの欲
皆様を苦しめる原因の「欲」には、六つのものがございます。それは、目に見るもの、耳に聞く音、鼻にかぐ香り、下に味わう味、身に触れる感じ、そして心に思う事。よく言われる五感と心がそれに当たるのですが、この六つの事を心地よく好ましく感じる事によってその方向に引張られ、迷いや悩み、苦しみへと進んでしまう状況がございます。
多くの人は、お金や物、肉体の好ましさなどに心引かれ、その結果として起こる災いを見ないままに、おぼれてしまう面があるのですが、これは森にいる鹿が猟師のワナにかかり捕まってしまうように、欲のワナに捕らえられてしまう事と全く同じだと伺えます。
例えばここに、蛇・ワニ・鳥・犬・狐・猿という六種類の動物がいて、それぞれを縄でしばり、さらにその縄を結び合わせて放つとします。この時、六種類の生き物はそれぞのれ習性に従って、自分の住みかに帰ろうとします。蛇は塚に、ワニは水に、鳥は空に、犬は村に、狐は野に、猿は森に。そんな状況の中で互いに争い、力の強いものの方へと引きずられて行きます。
これと同じように、人はその五感と心の六つの感覚の中で一番誘惑の強いものへと引きずられ、欲の支配を受けてしまう面がございます。
また、この六種類の生き物を縄で縛り、それを丈夫で大きな柱に縛り付けておくと、生き物達は始め、それぞれの住みかに帰ろうとしますが、それが叶わずに力尽き柱の側で疲れて横たわってしまいます。
このように、その人が柱のようにドッシリと構え、誘惑に負けないよう心を鍛える事によって、欲に引きずられる事無く、悩みも苦しみもない幸せな毎日を送る事ができます。
上記の事をふまえ、皆様は六つのどの欲に当てはまってしまう事が多いでしょうか。カッコいい車に乗りたいなどの目に見えるもの、他の人よりも自分の方が幸せである事を比べる心の欲、男性が女性の柔らかい肌に触れる感じ、周りからもてはやされ、「幸せでイイよね」と言われる事や、彼・彼女の声を聞きたいという耳に聞く欲など、時間や場所、その人によって、欲に引かれる状況も変わって参ります。
そう言った欲を抑える事は、なかなか難しい部分がございますが、引張られすぎて自分を見失い、大変で辛い中でもがいてしまう事がないよう、皆様自身の時間を充実させて頂き、日々の精進を重ねてお過ごし下されば幸いです。
11月13日(日)
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