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うららか雑記帳
by 浜月まお
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■鬱展開について考えてみた
この日記はエンピツという日記サービスを利用していまます。
「日常/生活」や「ダイエット」「映画」など、日記の内容に応じたジャンルを最初に登録して、分類ごとのランキングや新着情報が見られるシステムになっているのです。
この『うららか雑記帳』の登録ジャンルは創作日記。
なので、たまにはそれらしい内容を綴ってみようと思います。
鬱展開というものについて。
様々な定義があろうかと思いますが、個人的に『どこにも救いのない悲劇的展開』と解釈しています。
悲しくつらい、読み手にネガティブな感情をもたらすストーリーだったとしても、そうした要素によって物語が膨らみ深みを持って、ラストの感動がより一層盛り上がる(救いがある)……というのだったら、それは鬱展開とは違うと感じるのです。
具体的に例を挙げると森鴎外の『舞姫』。
留学先で出会った踊り子と恋仲になり、子まで成しておきながら、己の栄達のために彼女を切り捨てて帰国した男の話ですよね。
病んだ少女と老いた母。貧しい暮らしの中で二人はその後どうやって生きていったのか。
以前読んだとき、主人公にはまったく誠意を感じ取ることができませんでした。
非常に後味悪く、やるせない思いだけが胸にいつまでも残ったのを記憶しています。
もちろん鬱展開であっても名作と呼ばれるものは多くあるので、良し悪しは一概には言えないですが。
たとえば鬱展開WILL。どういうことになるかというと……
《クリスタロス》をクビになったセレシアス。無目的にさすらった挙句に病となるが、治す気力を持てず、死に場所を求めてふらりと姿を消す。彼の行方を知る者は誰もいない。
一方、大公国はジュムール皇国の侵攻を受け、交戦の末に焦土と化して敗北。キリエは即日処刑される。炎に包まれる日輪公宮。ラグの描いた肖像画が無残に焼け落ちていく。
500年の歴史を持つ大公国は滅び、支配者としてやってきた大皇帝によってアリアの存在が暴かれた。異能を軍事利用できるため処刑は免れたものの、亡国の公女として劣悪な環境で監禁される。
やがて父親の知れぬ子を産み落とし、産褥熱に苦しんでいる間に赤子はどこかへ売り飛ばされてしまう。
アリアは擦り切れたようになりながらも狂うことすらできず、衰弱し、絶望の果てに息絶える。 【完】
いかがでしょうか。
ちょっと極端なifすぎますかね(笑)
テーマもメッセージ性もない、ただの酷い物語です。誰が読むんだこんなん。
鬱展開自体に意味やメッセージがあるのならともかく、そうでないなら私はこんな小説読むのも書くのも御免被りたい。
※こういうタイプのお話が好きな人のことを否定するわけではありませんよ。
とはいえ、世の中には鬱展開なのに人気のある作品が実在するわけで。
私は今までそういうものに接した経験が少ないので、もし今後「鬱展開なのに面白い!」という作品に出会ったら、またよく考えてみたいと思います。
10月04日(木)
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