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うららか雑記帳
by 浜月まお
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■最近読んだ本

上橋菜穂子『狐笛のかなた』新潮文庫

小夜は12歳。人の心が聞こえる〈聞き耳〉の力を亡き母から受け継いだ。
ある日の夕暮れ、犬に追われる子狐を助けたが、狐はこの世と神の世の〈あわい〉に棲む霊狐・野火だった。
隣り合う国の争いに巻き込まれ、呪いを避けて森陰屋敷に閉じ込められている少年をめぐり、小夜と野火の、孤独でけなげな愛が燃え上がる……
ひたすらに、真直ぐに、呪いの彼方へと駆けていく、二つの魂の物語。
──カバー裏の紹介文より


文句なく、この夏のイチオシです。
母国語で読めるファンタジー物語の真髄をお求めの方は、ぜひこの小説を手にとってください。
美しく、悲しく、血生臭く、怖ろしく、切なく、愛おしく……深い闇、森の奥、夜の果て、憎悪の連鎖、願い、さしのべる手……
いくつもの形容詞が思い浮かびますが、この作品を表すにはとても私の語彙では足りません。
皆様も夏の終わりに珠玉の一作、読んでみませんか?

08月26日(日)
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