ID:103367
うららか雑記帳
by 浜月まお
[122354hit]
■最近読んだ本
上橋菜穂子『闇の守り人』新潮文庫
女用心棒バルサは、25年ぶりに生まれ故郷に戻ってきた。おのれの人生のすべてを捨てて自分を守り育ててくれた、養父ジグロの汚名を晴らすために。短槍に刻まれた模様を頼りに、雪の峰々の底に広がる洞窟を抜けていく彼女を出迎えたのは──。
バルサの帰郷は、山国の底に潜んでいた闇を目覚めさせる。壮大なスケールで語られる魂の物語。読む者の心を揺さぶるシリーズ第2弾。
守り人シリーズの2冊目です。
前作『精霊の守り人』の続きで、主人公バルサが己の過去と真っ向から向き合う物語。
前作では、新ヨゴ皇国と平行してナユグと呼ばれるもうひとつの世界にスポットライトが強く当たっていたのに対して、今作は、舞台となるバルサの生まれ故郷・カンバル王国と、その地下に広がる山の王の領域に焦点が当てられています。
登場人物はやや多く、独特の造語も頻出しますが、巻頭に地図や人物紹介などが載っているので、どんどん読み進めることができました。
王位継承を巡る陰謀、〈王の槍〉という地位のシステムや、食べ物や衣類、牧童という存在など、“オリジナル”というのはこういうもののことを指す言葉なんだろうなぁと思います。
さすがは文化人類学者、大学の準教授。
シリーズのうち文庫化されているのはここまでのようですね。次の新刊が楽しみです。
今度は幼なじみの薬草師タンダ氏の出番があるといいな。バルサからカンバル王国で巻き起こった事件の話を聞たら、一体どんな反応をするのやら。
「でも、くれぐれも、あっちで、その槍をふりまわすんじゃないぞ。カンバルにゃ、おれよりいい男はいるかもしれないが、ただで傷を縫ってくれる男はいないだろうからな」と言っていた彼のことだから、きっと呆れながら、戻ってきたバルサを労るのでしょうね。
あと『鋼の錬金術師』17巻も読みました。
オリヴィエ少将最高ですー!(笑)
おまけの『3年B組鋼先生―!!』、ブリッグズトップ3のヤンキー姿が似合いすぎててどうしましょう。マスタング組が事実上解散状態なのですけれども、ブリッグズの面々のキャラが濃いせいか意外と寂しくないですね。
この巻の見所は、家族で写真撮影をするエピソードでしょうか。
「どんな姿になっても、いつでも皆で一緒に笑って写真を撮りたいの」から続くトリシャの台詞が胸にずしんときましたよー。『だからずっと家族でいて』。泣けますね。
エドは母親が亡くなっても姿をくらましたままだった父親を許せなくて、それが大きなしこりになっているようだけど、いつかホーエンハイムが出奔したときの心境をエドが知る日が来たら、父と子の間にある根深い葛藤も少しずつほぐれていくんじゃないかな。
そういや、大佐とか准将だとかいう軍人さんの階級が作中に多く出てくるのですが、いまいちランクが把握できていないです。下っ端からトップまでの一覧表とかないかしら。
08月17日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る