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うららか雑記帳
by 浜月まお
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■最近読んだ漫画と小説
柴田亜美『PAPUWA』12巻 SQUARE ENIX
『南国少年パプワ君』の続編、12巻めに突入です。
キャラの持ち味を全開で発揮させた怒濤のギャグと、熱くて深い心理描写。増える疑問と転がる展開。うん、これぞ柴田亜美の神髄ですね。
ノブオさんがちらりとコマに登場すると心和むのですが、今回はマジック様とリキッド君の過去話がメインだったので、ちょい残念。
でも若いルーザー様が拝めたのでほくほくです! キンちゃんそっくりですね。あとちびっこ双子も可愛らしい♪(この子が飲んだくれ獅子舞になるのかと思うと……!)
ストームの髪に赤い布が巻かれているのは、あれですかね、某海賊映画の影響?(笑)
ミツヤの件を経て、マジック様がシンタローさんを溺愛した心情、コタローを幽閉した心情が描写されていたのですが、これがまた切ない。
手を繋いで走り出す二人の姿が心に残るエピソードでした。
井上祐美子『長安異神伝』中央公論新社
花の都・長安。通行が禁じられた夜間、坊壁に血飛沫が。以降、坊城内で血痕が発見されること、都合七たび。肉片や人髪らしきものが傍らにあることから、唐王朝の重臣魏徴は、皇帝を狙う何者かの呪詛と見抜く。更なる惨事を防ごうとする魏徴のもとへ、謎めいた長身の青年が、まだ早い秋の風をまとって現れた──中国の人々に口伝で親しまれた神話中の武神を唐代に生き生きと描きだす。
──カバー裏の紹介文より
某御方のお薦めを受けて、買ってみました。
封神演義などでおなじみの二郎真君こと楊センが主人公です。天帝の甥にして天軍の総帥、けれども王宮勤めを厭って自ら通力を封じ、下界に降りた半神半人の貴公子。
唐時代の町の描写はもとより、人物の描き出し方が素晴らしく精緻で、読み進めるうちに臨場感に圧倒されてしまいました。
人並みならぬ辛酸を舐めた末に重臣となった魏徴や、鷹揚な賢夫人であるその細君、天界から逃げ出して下界にちゃっかり官位を得ている道化者・東方朔。渦中にある儚げな美少女・翠心と、忠義者の侍女・燕児、などなど。
冒頭のシーンからして惹きつけられてしまいます。面白い。これは続刊もぜひ読まなくては!
近所の本屋さん数軒にはどこにも置いていなかったので、Amazon経由になってしまうのが惜しいですけれども。
以下はこれから読む予定の本。
吉田直『トリニティ・ブラッドCanon』角川スニーカー文庫
未完の超大作を補完する、究極の「トリニティ・ブラッド」本、降臨! 第一部として「ガンメタル・ハウンド」、「ヒューマン・ファクター」、「R.O.M. 極光の牙〈序章〉」を収録。第二部では構想メモや設定資料を基に、ついに書かれることのなかった物語の〈始まり〉と〈終わり〉を解説。さらに第三部を用語集「大聖典」として、壮大なる遠未来黙示録の全てを明らかに! 失われた物語の大きさから──汝、目をそらすことなかれ!────カバー裏の紹介文より
トリブラ解説本。すでに一度読み終えているのですけどね、吉田先生の急逝からもう3年が経ったのかぁ……と思ったら、ふいに遺作に浸りたくなったのです。
コミック版も順調に『聖女の烙印』に入ったことだしね。
もっとも、私のイチオシは『FIGHTER』です。トリブラがお好きな方はぜひご一読あれ。
07月22日(日)
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