ID:103367
うららか雑記帳
by 浜月まお
[122344hit]

■遙か3プレイレポNo.21:鵯越と涙
ずっと一緒に戦ってきた兵士たちのそういう気持ちを、九郎さんが汲まないはずもなく。おまけにハクがつくし、この地位ならば内裏に入ることを許される殿上人なわけですから、仕事もしやすいし……。一見いいことづくめなんですよね、本当に。
ヒノエ君らが賛成する中で、歴史を知っている譲君は官位を賜ることに反対します。頼朝の懐刀と言われる景時さんも、直接言葉にはしないものの、気掛かりがありそうな様子。
結局、弁慶さんの「法皇の機嫌を損ねることもよくない」という一言で落着となってしまったのですが……なんだか猛烈によくない予感がいたしますよ。


そして、案の定でした。

『源氏の賞罰はすべて鎌倉殿にしたがう定め。許しを得ずに官位を授かるは規律を乱し、主君を蔑ろにする行いである』

九郎さん反逆の嫌疑すらかけられて、牢に幽閉されてしまったのです。
誰も面会を許されない中、許婚という方便が効いて、特別扱いで面会を許された望美ちゃん。

ちゃんと兄上にお会いできればわかってもらえるはずだ。
でなければ自分は源氏に捨てられたことになる。
自分は源氏や兄上に必要のない人間なのか?
兄上のためにと信じて戦ってきたのは、無駄だったというのか?

薄暗い石牢の中に独りきりで、九郎さんが何度も胸中で反芻したに違いない、血を吐くような想い。
全てを受け止めて、望美ちゃんは軋みを上げる彼の心をやんわりと包み込みます。

「あまり俺を甘やかさないでくれるか。お前に頼らないと誓ったのに、みっともないとこ見せたな」

少し冷静さを取り戻した九郎さんから託されたのは、一綴りの書状。これを鎌倉にいる兄上に渡してくれ、と。
九郎さんの命を繋ぐ、一縷の希望。望美ちゃんに託された願い……。
世に有名な『腰越状』ですね。
もうここらへん、切なくって言葉が出てきませんでした。


焦燥感と共に鎌倉へ直行する望美ちゃんでしたが、面会の許しがおりず、じりじりと日数ばかりが過ぎていき、やがて彼女の元へもたらされたのは最悪の結末。

九郎さんが、謀反人として処刑された──。

追い打ちをかけるように、九郎さんと行動を共にしていた面々には追っ手が差し向けられました。嘆く時間も、憤る時間も与えられずに。九郎さんがあれほど慕っていた『兄上』の命令によって。

そう、やはり頼朝の許可なく官位を受け取ったのは過ちだったのです。
炎に包まれた京邸での別離を拒絶して、時空を遡って鵯越の奇襲を成功させたことが、こんな途方もない悲劇を生み出すなんて……。
九郎さんを、また救えなかった。彼の隣に居場所を求めて、共に生きていける未来を望んで時空を超えたのに。
けれど望美ちゃんは絶望したりはしませんでした。

望美「この悲劇を知っていれば、時空を超えて-運命を変えられる……っ!」

悲哀の涙で頬を濡らしているだろうに、決して打ち砕かれない強さを持って再び運命に挑む望美ちゃん。
しなやかで真っ直ぐな望美ちゃん、大好きだぁぁぁ!


以上、このレポは10日以上かけてやっと書き上げたのですが、改めて読み返してみると、私の中では九郎×望美が基本カップリングとして定着しているのが一目瞭然で、どうにも苦笑してしまいました。脳内補正機能、働き過ぎですヨ。
でもねぇ、九郎さんと望美ちゃん、本当にお似合いだと思うんです。二人とも単品でも大好きだけど、くっついてくれるとなお嬉しいなー。
九郎×望美の妄想なら次々と浮かぶあたり、けっこう症状は重いのかも(笑)
例えば……売り言葉に買い言葉で派手な喧嘩したり、意地っ張りと鈍感同士でしょっちゅう気持ちがすれ違ったり、でもお互い無自覚に赤面台詞を盛大に言い合って、我に返って二人して耳まで真っ赤になったりとか。朔ちゃんや白龍がそんな二人を笑って眺めてるといいなぁ。それでもって将臣君は九郎さんをからかったりけしかけたり、二人の兄貴分ポジションで。

[5]続きを読む

04月12日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る