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うららか雑記帳
by 浜月まお
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■遙か3プレイレポNo.25:散華、決戦、込められた想い
目の前の敵を斬り伏せなければ、骸となるのは己のほう。それが乱世。
そんな状況に置かれ続けた人たちが、戦のなくなった後の世の中のことをリアルに考えられないのも、まあ無理はないと思うんです。
この時代って、戦の主要な武器は刀だったわけだから、それを振るうには敵のすぐ近くにいなければならないですよね。殺す相手の眼差し、息遣い、言葉、そういうものを直に浴びなければならないのって、かなりしんどいはず。人が変わってしまってもおかしくないほどに。
だから、実戦を、戦場の狂気を知った武士は、どこかしら奥深いところにその色が染みついてしまうというか……心の一部が平穏な世界と切り離されてしまうというか、そんなイメージ。
話が逸れました。戻します。
平知盛が築いた平家最後の砦・彦島。
そこには宿敵とも言うべき還内府が待っていました。
驚愕に揺れる瞳。望美ちゃんも、九郎さんも、譲君も、皆、ここで初めて“還内府”の正体を知ったのです。
天の青龍、譲君の実兄、望美ちゃんの幼馴染──有川将臣。『黄泉還った若き日の小松内府』こと還内府は、将臣君のことだったのです。
一人だけ三年も前の時空に放り出されて、苦労していたところを平清盛に拾われ、その恩義を返すために『平家再興』という決意を胸に秘めて行動してきたんですよね……。
いつかはこういう事態に陥ることは避けられないって、分かっていても切なくなってしまいます。
将臣君が「やりたいこと」のために熊野へ来ていたこと、いつも短い間しか同行できなかったこと、街道であった尼装束の女性と血筋のよさげな少年のこと。様々なピースが次々と符号していき、目の前に還内府として立ちはだかっている青年に帰結する。
紛れもない事実なのだと一同が認識したとき、平家の未来を一身に背負った将臣君との戦いが始まったのでした。
九郎さんにとって将臣君は、同じ四神の加護を受けた相方であり、あんなにも信頼した明るい笑顔を見せていた仲間です。本当なら辛くないはずがないのに。こうやって無理やりに私心を押さえ込んでしまうあたり、戦乱時代の将ってすさまじいですね。
そして、青龍コンビ対決に決着が着きました。
本来なら、平家をまとめていた中心人物である還内府が負けたとあれば、この時代なら首を取られるのが当たり前。
でも九郎さんは言いました。
九郎 「ここにいる平家はもはや源氏の敵ではない。還内府はすでに討ち取った。
ここにいるのは、俺たちの知っているただの有川将臣だ」
「するべきことがあるならやりとげろ」と、将臣君を手にかけることなく逃したのです。
きっともう、九郎さんは理解しているんですね。平家を倒して源氏の世を作ることだけを考えてきたけれど、平家が単純な『悪』なんかじゃなくて、それぞれ考えがあって大切な人がいて、源氏とは立場が少し違っただけで、同じように生きている人間なんだ、って。
だから還内府の正体を知っても、「俺たちを騙していたのか!」という反応にはならなかったんだと思います。
そして。
やっぱり政子に見咎められてしまいました。そりゃそうだよなー……。
還内府を見逃した九郎さんを糾弾し、政子は「鎌倉で詮議を受けてもらいます」と言って望美ちゃんを捕らえて連れ去ってしまうのです。
しかも「鎌倉までの間に逆鱗の力で逃げられては大変ですからね」と、逆鱗を奪って。
あれ? 政子って逆鱗のこととか知ってるんでしたっけ?
頼朝の、あの時間の流れを任意にとめる力といい、ナニモノですか、この夫婦は。
あれよという間に自動的に終章『決別』へ突入です。
終章 決別(地青龍ルート)
ちょっと、まあ不吉な章タイトルですね。最終章だってのに。
前の章があんな展開だっただけに、不安感をいっそう煽られます。
鎌倉に連れてこられて頼朝の前に引き出された望美ちゃんは、彼から脅しめいた命令を受けました。
『源氏の世が未来永劫まで続くよう、鎌倉に龍神の加護を請願せよ』
そうすることによって、京はすでに龍神の庇護を失っているのだと広く宣伝するつもりのようです。
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06月09日(月)
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