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うららか雑記帳
by 浜月まお
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■遙か3プレイレポNo.20:舞い降りた天女
その理由について、九郎さんはこう言いました。
兄上と共にこの世界に平穏な治世を取り戻すことが自分の夢だ、と。
源氏の一員として、兄上の力になることが夢であり、誇りでもあるのだそうです。
本当に、なんて純粋な人なんでしょうね……。九郎さんがまっすぐであればあるほど、ここから先の展開が辛く哀しいものになります。1周目の鎌倉での、あの悲痛な叫び声が脳裏にこだましますよ。うう。
吉野の地には、皇子の琴に誘われて天女が舞い降りたという伝説があるそうで、
九郎「お前も天上の国から降りた天女かもしれないな」
なーんていう台詞をさらりと言っちゃう天然っぷりに脱力でした。
ヒノエ君の甘ーい口説き文句連発にはだいぶ慣れたけど、九郎さんがこういうことを言うと物凄く恥ずかしく感じるのはなんででしょうか?(笑)
いやいや、いいんです。そうね、望美ちゃんは天女だよね。希望の象徴。大切な人を救うため、平和な日々をもたらすために剣を取る姫将軍。
言い得て妙、かな。
それはそうと、九郎さんが引き合いに出した皇子とは、大海人皇子(のちの天武天皇)のようですね。
かつて皇位継承に絡んだお家騒動で窮地に陥った大海人皇子は、大和朝廷を守護する神々のふるさと吉野を訪れ、天心地祇に勝利を祈願して琴を奏じた。すると、その音に乗って唐玉緒を纏った天女が現れ、戦勝の祝福を示した。
この天女は、修験道の祖・役行者が弥山山頂に祀ったとされる弥山大神だった。これに力を得た皇子は、壬申の乱に勝利を収め、即位して天武天皇となった──とのこと。
ちなみに、その時に五人の天女が其々違った節で舞ったことにより、五節と名付けられ、宮中行事の五節之舞の由来とされているのだそうです。
……役行者ってそんなに古い時代の人だったんですね。知らなかったです。
九郎「この戦を終わらせたら、必ず帰れるよう、力になる」
絆の関、突破です。
『吉野山 峰の白雪 踏み分けて 入りにし人の……』
吉野という土地に来て、譲君が思い出した歌です。正確には、
『吉野山 峰の白雪 踏み分けて 入りにし人の あとぞ恋しき』。
かの有名な静御前が、泣く泣く義経と別れたあと頼朝に捕らえられ、鶴岡八幡宮で舞を奉納するように命令されて歌ったものですね。吉野の大峯山で離ればなれになった義経を恋い慕う内容です。
譲君いわく「女性を置き去りにしたひどい男の歌」だそうですけれども(笑)
まあ、確かに譲君の気持ちも分かりますよ。いくら大峯山が女人禁制だからって、明日をも知れぬ逃避行の身だからって、ここまで共に来たのなら最後まで連れて行ってあげればよかったのにね。
でも静御前が後に義経の子を産んだことからして、別れたときはすでに身重だったわけで、だから義経は同行を許さなかったのかな?
万一、頼朝に捕らえられたとしても、静御前は美しい舞の名手、それもうら若き娘です。命までは取られまい、と考えたのかもしれませんね。
源義経と静御前。木曽義仲と巴御前といい、少しばかり美化されすぎの傾向かもだけど、やっぱり胸に迫るものがありますね。
そんなこんなで吉野の里へ到着。
源平の争乱が続く物騒な世の中、村人たちは一行を落武者と勘違いして警戒丸出しの対応でした。最初は姿も見せてくれなかったほどの怯えっぷりです。
無理もありません。現在の一行はフルメンバー。つまり、神子二人を除けば体格の良い男が9人もぞろりと徒党を組んでいるわけで、そりゃ警戒したくもなりますよね(笑)
誤解が解けたあとは精一杯歓迎してくれて、小さな喜びをかみしめる望美ちゃん。
しかし夜になって悲劇は起こりました。本物の夜盗が畑に火を放ち、村を襲ってきたのです。
ならず者は退けたものの、燃やされてしまった田畑はもはや取り返しがつきません。
季節は紅葉の秋。これから厳しい冬がやって来るのです。ここの人達は、冬を越すための蓄えを一夜にして失ってしまったのですから……。
その場にいながら守れなかった。誰もがやりきれない思いに表情を陰らせ、言葉もなく立ち尽くすのみ。
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03月30日(日)
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